木橋が選択される理由
近代木橋の課題と今後の展望
地球温暖化と木橋
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近代木橋について−−−

新しい時代の木橋は、これまでの木橋のイメージを大きく変えました。「近代木橋」と呼ばれています  21世紀の世界で、もっとも大きなテーマが「環境との共生」といわれています。私たち人類が生息する地球の環境が、その人類の活動によって破壊され、汚染されています。地球温暖化、砂漠化は深刻な状況を迎えつつあります。このまま進めば、やがて人類が生息できなくなる地球になるのではないか?と怖れられています。こうしたなかで、私たちは、すべての行為において環境と共生できるかどうかを問うことを求められているのです。

 橋の建設においても環境への配慮が厳しく求められるようになっています。橋を構成する素材について製造過程における二酸化炭素(CO2)の排出量はどうであろうか。建設時のエネルギー消費は?また、建設時、完成後の周辺環境への影響は?最終的に廃棄される時の環境負荷は?さまざまな角度から環境アセスメントの対象となっているのです。

 今、こうした面からもっとも環境への負荷が少ない「木橋」が注目されています。

 木橋は、自然の素材である木材を多用するところから、周辺の自然に親和し、優れたデザイン性を持ち、素材の製造にエネルギーが不要で、建設時もエネルギー消費が少なく、廃棄時もリサイクル可能という環境負荷のもっとも少ない架橋形式です。

車道橋にも近代木橋  木橋のわが国における歴史を振り返れば、古来より幾多の木橋が造られ、戦前までは「木橋」が、架橋の本流でした。しかし、戦後、木橋は「永久橋」ではないと判断され、昭和30年代以降、まったくかえりみられなくなりました。

 その木橋が、工業化された木材(構造用集成木材)という新しい資材と技術を得て、再び登場したのが平成元年頃です。以来、約700の新しい木橋が、全国に建設されています。これらの木橋は、以前の伝統的木橋と区別して「近代木橋」と呼ばれています。

 わが国における近代木橋の多くは歩道橋ですが、林道や市町村道に車道橋も多く架設されています。車道橋は、代表的なものだけで平成13年4月現在で、25橋を数えております。橋長20〜40mの短・中橋長が中心ですが、橋長145mで木造斜張橋では世界最大の広島県・用倉大橋も含まれています。

近代木橋の特徴

近代木橋の主な特性としては、次のような点が挙げられます。

  1. エネルギーを必要としない資材である木材を多用するために環境に優しい。
  2. 柔らかさ・温かみなど、天然材料独特の質感をもつ。
  3. 製材だけでなく集成材・LVL・チップボード等、多様な形態と均質性をとり得る半工業材料を多用することから近代工学に則った設計ができる。
  4. 比強度が鋼やコンクリートより格段に大きい。

このような長所の反面、次のような問題点もあります。

  1. 割れ・反りなど変形し易く、耐磨耗性にも劣る。
  2. 腐朽・虫害など耐久性に問題がある。
  3. 燃える材料である。
  4. 鋼構造やコンクリート構造に比べて価格が高い。