幻の名橋−−愛本橋
 日本三奇橋として江戸時代からその名を知られた愛本橋は現在の架設地点から約50m上流に架けられた刎橋であった。三奇橋とは愛本橋のほか山梨県の猿橋、山口県の錦帯橋で、これらの2橋は昔の姿を今に伝えているが、愛本橋は明治23年(1890)に解体されて昔の面影を見ることは出来ない。

 愛本橋の創架は、加賀藩五大藩主前田綱紀が寛文元年(1661)帰国の途について、領国を視察したおりに、黒部川がしばしば氾濫して旅人を苦しめていることを知り、家臣に命じて黒部川に橋を架けさせたのが始まりとされている。

 橋の形式は猿橋と同様の刎橋で、長さは206尺(62.4m)と、当時としては他国に例を見ない巨大な橋であった。  

                                        

写真提供:市川紀一氏
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